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Sumie
(16mmフィルム/5min/2017)

●墨絵は「墨」の濃淡によるモノクロ絵画表現。『Sumie』では映像の原点たるモノクロームフィルム(KODAK TRY-X ISO200)によって、16ミリフィルムカメラ(BOLEX H16RX)による手持ちバルブ撮影手法および自家現像処理で制作した。撮影は多摩川河川敷などの都内や自宅周辺、福岡市内、富士山麓の笛吹川フルーツ公園他。

●高解像度、高画質を求める中で忘れられがちであるが、映像とは肉眼と脳の機能を逆用した擬制による技術、現実に似せて作られた擬物(まがいもの)である。モノクロフィルム表現は明快に現実を異化し、そのことを思い出させてくれる。
そも、我々に視える現実は現実そのものではない。すべての物体は様々な波長の電磁波を浴び、それを様々方向に反射する。眼球内の網膜で受け止めているものはこれら連続的に変化する波長を持つ電磁波に過ぎず、そこに色などは存在せず「一切の物体は黒い」。(福間良夫「視性のアルケオロジー」、鷽bouvreuil 創刊号、1984年


●我々が知覚する「色彩」は自らの眼球の網膜上、波長感度の異なる3種の視覚細胞の反応差によって、脳内で付加される「マークアップ」に過ぎない。色彩は生物の脳の中にのみ存在する。AR(拡張現実)技術でディスプレイ内に付加される表示情報のように。

 


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<2018年1月27日、28日/東京・イメージフォーラム「寺山修司」>

「16mmフィルムによる『実験映画とトーク』
<2018
年5月6日/東京・スペース煌翔>

日本映像学会第44回大会
<2018年5月/東京・東京工芸大学>

イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭2018
<2018年10月/チェコ共和国・イフラヴァ市>



作品プレビュー

動画による「プレビュー」について

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